外国人に対するボランティアガイド
仙台支部 八田栄次郎
このコーナーに投稿された方はどなたもいろいろご苦労され、社会貢献活動をされました。私の場合はささやかなものですが、紹介させていただきます。
会社退職後9年程度、外国人に対して、宮城県の観光地のガイドや東日本大震災・津波の恐ろしさやその後の復興状況を伝える活動をしています。私たちのグループ『GOZAIN(宮城県の言葉で「どうぞおいで下さい」の意)』は、約60人のメンバーがおり、前職が企業人の他に教師、公務員、主婦など様々です。アメリカ人のメンバーも一人おり、ユーモアを交えた説明の上手さに驚きます。ボランティアガイドにおいては、観光地等の知識に加え、英語で説明したり、質問に答える必要があり、最初は不安がありました。でも何回かガイドを行っていくことにより慣れてきました。グループメンバーが心掛けていることは、常に「おもてなし」のこころをもって接し、楽しい時間を過ごしていただくことであり、国際交流を通じてお互いの理解を深めていきたいと願っております。
残念ながら現在は新型コロナウィルスの影響でガイド受け入れは中止しておりますが、より良いガイドのためには我々自身の研鑽が必要、とのことでWeb会議ツールのZoomも取り入れながら週1回の研修会を行っています。内容としては、観光地の歴史・知識や日本固有の文化はもちろんですが、それを伝えるための英会話、仙台に住む外国人留学生による自国紹介プレゼンテーションにより各々の国の理解を深める、などです。
今までアメリカ、オーストラリア、ヨーロッパ、アジアの方々へのガイドをしました。インターネットなどによりガイド依頼があると、ガイド担当者は希望場所、希望時間を踏まえた上でスケジュールを決定し、下見をしながら説明のストーリーを組み立てます。国や人により興味の内容も異なるため、当日、ガイド時の反応を見ながら説明の重点を変えていくのが少し大変です。毎回、ガイドの内容についての反省はあるのですが、皆さんよく話を聞いてくれます。また、説明の合間にお互いの生活様式や趣味・文化の話をすることはとても楽しく感じています。
東日本大震災のことを知りたい、として当地を訪れる方もおり、当時の状況を知っていただくために震災遺構の施設(仙台市 旧荒浜小学校など)を案内し、津波の恐ろしさや命を守るために大切なこと、などを伝える活動もしています。
多くの外国人が震災当時のままの施設や当時の写真・ビデオを通じて恐ろしさを実感されます。最近は、その後の復興に関心を持つ方が多いです。
この9年間で外国人の方に仙台城址・瑞鳳殿・大崎八幡宮(仙台)、瑞巌寺(松島)などの歴史・文化を知っていただく活動をしてきましたが、同時に私自身色々なことを学ぶ楽しさも感じてきました。
なるべく多くの人が、自分のできる範囲でボランティア・社会貢献を行っていけば、よりよい社会になるのではないか、と思っております。
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